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民・自・公の修正協議、一致点は見えた?

2012年6月12日 20:10
民・自・公の修正協議、一致点は見えた?

 消費税増税を含む社会保障と税の一体改革をめぐり、民主・自民・公明の3党は、連日、修正協議を行っています。合意を得る目標とされる15日までには、あと3日と迫っていて、12日も協議が行われています。

 12日、国会に登場したのは自民党の論客、石破茂前政調会長。農水相や防衛相を歴任し、自民党きっての防衛政策通として知られています。その石破氏が、衆議院予算委員会で論戦を挑んだ相手は、民間から初めて防衛相に起用され、注目されている森本敏防衛相でした。

 石破氏「田中元防衛相から防衛省改革についてどのような引き継ぎを受けられたか」

 森本防衛相「今日の防衛省の組織が、今後とも防衛という機能を有効に発揮するよう、引き続きいろいろな検討を行ってくださいと、このような申し送りを受けたところでございます」

 これに対して、石破氏が「珍しく答弁原稿を読まれましたね」と述べると、森本防衛相が「はっはっはっ」と笑う場面も…旧知の間柄だからでしょうか。和やかなやりとりもみられました。

 一方、12日の審議でも、やはり話題になったのが消費税増税法案を含む社会保障と税の一体改革。野田首相は「今国会中に成立を期していきたいというふうに思っています」と述べ、法案成立に強い決意を示しました。

 この法案が成立するかどうかは、まず、先週から始まった民主・自民・公明の3党による修正協議にかかっています。これまでの協議では、自民党と民主党に一致点も出ています。自民党・町村元官房長官は11日、「税率の10%までの2段階引き上げということについては我々も賛成すると申し上げた」と述べ、自民党は消費税を10%までに引き上げることには賛成。しかし、増税による生活への影響が大きい低所得者への対策では、所得税減税と現金支給を組み合わせるのか、生活必需品の税率を低くするのか、など民主党と自民・公明両党の間には、なお隔たりがあります。

 また、政府民主党には妥協を探る動きも出ています。小宮山厚生労働相は12日、子育て支援策のひとつ「総合こども園」制度の創設について、「修正協議はそれぞれが自分の主張は曲げないといったら成り立たないわけですから、知恵を出して最初に政府が提出した法案に近い形になるように工夫していけばいいと思います」と、野党側の提案を取り入れることに柔軟な姿勢を示したのです。

 こうした自らの政策を修正する動きに民主党内からは反発の声も上がっています。最も反対する1人が、民主党・小沢一郎元代表です。小沢氏は、“増税の前にやるべきことがある”というのぼりの前で、この日も“もの申し”ました。

 小沢氏「私どもは消費税の問題も国民の皆さまのためには、どうあるべきか、そのことを前提にて、その視点から政策の結果を決めていかないといけない」

 小沢氏以外にも民主党内には消費税増税への反対論は根強くあります。たとえ修正協議がまとまったとしても、その結果が党内で了承されるかは難航することも予想されるのです。12日の国会では、野田首相がこの点を問いただされる場面も…

 石破氏「党内で反対、反対、大反対、増税の前にやるべきことがある、そういうのぼりを作った人たちがいるそうですね」「党内をきちんとまとめてください」

 野田首相「ご指摘のような、まず与党内をまとめるというご指摘、これは真摯(しんし)に受けとめたいと思います」「しっかりと党内の議論を集約して、そして野党のみなさんと向き合って真摯に協議するのは、これは基本中の基本だと思っておりますのでそのことを肝に銘じてことにあたっていきたいと思います」

 党の了承は得られるのでしょうか。修正協議の行方とともに大きな焦点となっています。