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野田改造内閣始動“消費税増税法案”は?

2012年6月5日 20:14
野田改造内閣始動“消費税増税法案”は?

 4日、発足した「野田再改造内閣」は、5日朝、新しい閣僚も出席し閣議が行われたほか、新旧の閣僚の引き継ぎが行われるなど本格的に動き出しました。一方、この改造を受けて、こう着状態だった消費税増税法案をめぐる与野党の話し合いに動きが出ています。

 5日朝、国会内では4日の内閣改造で起用された新たな閣僚が緊張した面もちで閣議に向かっていました。そして閣議のあとには新旧閣僚の引き継ぎが行われました。

 小川前法相「滝法務大臣も安心して、いろいろ法務の懸案、これからもお任せできますので安心しております。ホッとしております」

 滝新法相「党としてのお支えをよろしくお願いします」

 そして農水省では和気あいあいとしたやりとりが…

 郡司新農水相「これまでの教えを大切にしながらやっていきますので」

 鹿野前農水相「よろしくおねがいします」

 「野田再改造内閣」、本格的なスタートです。

 新たに閣僚に起用された5人のうち特に注目されるのが、森本敏防衛相です。防衛相に民間人が起用されるのは初めてです。自衛隊を指揮する防衛相が選挙で選ばれた国会議員でないことに与野党から批判や疑問の声が上がりました。そんななか森本防衛相は「(閣議後に)何人かの大臣から、シビリアンコントロールについていろいろ意見があるが、そういうことは全く気にせずに頑張っていきましょうと、みんなでサポートしますからとおっしゃっていただきました」と、周りの閣僚から気遣う発言があったことを明かしました。森本防衛相は、職務に取り組む中で理解を得たいと話しています。

 今回の内閣改造をきっかけに動き出したのが、消費税増税法案をめぐる与野党の話し合いです。野田首相は与野党で修正協議を行うための環境整備を進めるよう指示を出しています。これに対し、5日朝、自民党・石原幹事長は「野田首相は、6月21日の会期内に衆院での社会保障と税に関する特別委員会での採決を行うことが政府民主党の務めであると。同じコメントを輿石さんが発せられる事を期待している」と述べ、民主党・輿石幹事長から21日までの会期内に採決するという方針と、特別委員会における中央公聴会の日程があわせて示されれば、修正協議には応じる考えを明らかにしたのです。

 そして、午後に行われた民主、自民、公明の幹事長会談の場で、輿石幹事長は自民、公明両党に修正協議を呼びかけました。これに対し会期内の採決を求める自民党・石原幹事長は「修正協議の期限を会期末の今月21日までに区切るべきだ。会期を延長して、ダラダラ協議をすることはあってはならない」と述べました。しかし、輿石幹事長は「最大限の努力をするが、採決の日程を明確に言うことはできない」と語り、修正協議の期限を区切り採決の日程を明確に示すことには応じませんでした。一方で、公明党・井上幹事長も「社会保障制度改革の全体像が示されていない」などと述べ、現時点では修正協議に参加するのは難しいとの姿勢を示しました。

 結局、修正協議については合意は得られず、3党とも自らの主張をできるだけ反映させようと駆け引きが続いています。5日の時点では溝は埋まりませんでしたが、会談は再び行われる見通しです。