先月末から今月にかけて、衛星を使って位置を測定するＧＰＳ（＝全地球測位システム）に大規模な障害が起きた韓国で、ＧＰＳに関する情報を北朝鮮に流出させようとした疑いで、韓国人の男ら２人がスパイ容疑で逮捕された。

　韓国の警察当局によると、今月上旬に逮捕されたのは韓国人の男（７４）と韓国系ニュージーランド人の男（５６）。２人は去年７月、韓国の防衛産業関係者と接触し、ＧＰＳの妨害装置や航空機を監視するレーダーなどの情報を入手し、北朝鮮側に渡そうとした疑いが持たれている。韓国人の男は、４０年前に別のスパイ罪で無期懲役の判決を受けて仮釈放中だった。

　韓国政府は、航空機や船舶のＧＰＳで発生した大規模な障害は北朝鮮から発信された妨害電波が原因だとしていて、捜査当局は今回の事件との関連を調べる方針。