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関東などの竜巻被害受け、気象庁が検討会

2012年5月31日 23:37
関東などの竜巻被害受け、気象庁が検討会

 今月6日に関東北部などで起きた竜巻被害を受け、気象庁は31日、有識者らによる検討会を行った。出席者からは予測精度の向上などを求める意見が出された。

 大気の状態が非常に不安定だった今月6日は、茨城県や栃木県、福島県などでほぼ同じ時間帯に複数の竜巻が発生し、茨城・つくば市で1人が死亡し、多くの家屋に被害が出た。

 31日に気象庁が行った検討会には、竜巻の専門家の他、竜巻被害を受けたつくば市と栃木・真岡市の市長も出席した。出席した委員からは、「気象庁が竜巻注意情報を発表した時には、すでに竜巻の被害が出ていた」「現在の都道府県単位の情報では、実際にどこで対策を行えばいいのかわからない」など、気象庁に対し、予測精度の向上と住民にもわかりやすい情報の伝え方を求める意見が出された。検討会では、7月中に当面の対策をまとめることにしている。

 一方、気象庁は、被害の痕跡などから、今回発生した竜巻では瞬間的に風速50メートルから69メートル程度の風が吹いたと推定している。しかし、検討会に出席した東京工芸大学・田村幸雄教授は「つくば市を襲った竜巻では住宅がコンクリートの基礎ごと転倒していることなどから、局地的には風速は100メートル以上に達していた」と報告し、国内最大クラスの竜巻だった可能性が高いと指摘した。