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旧準備区域賠償、避難区域と同等~東電常務

2012年5月31日 22:19
旧準備区域賠償、避難区域と同等~東電常務

 福島第一原発事故に伴う損害の完全な賠償を求める福島県の協議会に31日、「東京電力」の次期社長となる広瀬直己常務が出席し、要望に直接応えた。この中で広瀬常務は、旧緊急時避難準備区域の精神的賠償について、避難区域と同等の賠償をする方針を明らかにした。

 東京電力に対する完全な賠償を求める「県原子力損害対策協議会」が31日、福島市で開かれ、佐藤知事らが広瀬常務に要望した。これを受け、広瀬常務は、旧緊急時避難準備区域内で自主避難せずに残った住民や、早期に帰還した住民について、避難者と同等の精神的賠償を行う方針を明らかにした。また、避難区域見直しが進まない原因となっている財物価値の方針について、来月上旬にも具体的な金額も含めて方針を示したいと応えた。しかし、他の要望については前向きな回答は得られず、協議会は今後も要望を続けたいとしている。

 また、佐藤知事は31日、原発災害からの県内産業の復興を目指して県が創設した、企業立地を促進させるための補助制度について予算の大幅な増額を国に要望した。しかし、柳沢経産副大臣がこれ以上の予算の増額が厳しい状況であることを伝えると、佐藤知事は不満をあらわにした。現状では約1070億円が不足しており、予算の獲得ができるかは不透明な状況。