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G8首脳宣言「成長と財政を両立」記者報告

2012年5月21日 1:42

 アメリカ・ワシントン郊外で開かれていたG8サミット(主要国首脳会議)は現地時間19日、経済成長と財政再建双方の必要性をうたった首脳宣言を採択して閉幕した。平野亜由子記者が報告する。

 今回のサミットでは、ヨーロッパの債務危機再燃への対応が主要議題となった。首脳宣言には、財政健全化とともに経済成長も追求する方針や、ギリシャがユーロ圏に残ることを促す表現が盛り込まれた。

 今回のサミットは、初めてアメリカ大統領の別荘「キャンプ・デービッド」で行われた。これは、価値観の近い主要国の首脳同士がアットホームな雰囲気で忌憚(きたん)のない意見交換をしたいという狙い。

 しかし、このところ、G8よりも、中国やインドなど新興国も参加するG20の存在感が増しているのは否めない。今回、大統領の別荘を会場にしたのも、約1か月後にメキシコでG20首脳会議が開かれることや、大統領選挙が迫っていることから、簡潔に済ませたかったという本音が見え隠れする。実際、ロシアからは、プーチン大統領ではなくメドベージェフ首相が代理で出席した。

 軒並み財政悪化に苦しむG8各国が、今回のサミットのテーマだった財政再建と経済成長を取り戻すことができるのか。G8復活もそこに懸かっている。