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パキスタン首相判決に有罪、失職の可能性も

2012年4月26日 22:17

 パキスタンの最高裁は26日、ギラニ首相に法廷侮辱罪での有罪判決を言い渡した。議員資格を失って失職する可能性もあり、政権にとって大きな打撃となりそうだ。

 ギラニ首相は、ザルダリ大統領が就任前に汚職に関わっていたという疑惑について、捜査の再開を指示した最高裁の命令に従わなかったとして起訴されていて、最高裁は26日、ギラニ首相に対し、有罪判決を言い渡した。刑期は、法廷で数分間拘束されて釈放されるという形式的なものにとどまったが、有罪判決を受けたことで法律上、議員資格を失い、失職する可能性も指摘されている。

 一方、ギラニ首相の弁護士は「上訴する」としていて、現時点での失職を否定している。

 パキスタンで、首相が有罪判決を受けるのはこれまで例がないという。現政権は、政治に強い影響力を持つ軍との関係が良くないことに加え、今回の有罪判決によって、さらに野党からギラニ首相の辞任と総選挙実施の圧力にさらされるものとみられ、今後、政局が混迷の度合いを深めることとなりそうだ。