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シリア、軍撤退期限目前 停戦不透明な状況

2012年4月10日 8:08

 アサド政権と反体制派の衝突が続くシリアでは、10日、国連などの仲介による軍の市街地からの撤退期限を迎える。しかし、9日もシリア各地で政権側による攻撃が伝えられており、停戦が実現するかどうかは不透明な状況となっている。

 9日にシリア・ホムスで撮影されたとされる映像では、アサド政権側によるとされる激しい攻撃の様子が映し出されている。7日からの3日間で約200人が死亡したと伝えられるなど、衝突は激しさを増しているようだ。

 シリアに国境を接するレバノンでも、緊張した状況が続いていた。国境のすぐそばでは、アサド政権の軍が展開しているようだ。レバノン北部・トリポリにある病院は、シリアから逃れてきたケガ人であふれかえっていた。シリアから逃れてきた男性は「家族や近くの人の避難を助けているうちに、狙撃手に撃たれた」と話した。

 アサド政権側は、撤退期限の10日を前にしてむしろ攻撃を強めている他、反体制派が停戦を確約しなければ軍の撤退には応じられないと態度を硬化させている。

 反体制派を支持する国々の中には軍事介入を求める声もある。10日に軍の撤退が実現しなければ、国際社会は新たな対応を迫られることになる。