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西日本“巨大地震”高知で津波予想34m超

2012年4月1日 2:20
西日本“巨大地震”高知で津波予想34m超

 西日本の太平洋沿岸の「南海トラフ」付近で起きる超巨大地震について、想定される津波の高さと震度分布が先月31日、公表された。津波は最も高い所で30メートルを超える想定となっていて、高知・黒潮町で34.4メートルとなっている。

 内閣府の検討会は先月31日、西日本沖の「南海トラフ」付近で起きるマグニチュード9程度の地震で想定される最大クラスの揺れと津波の高さを取りまとめた。

 揺れの強さを示す震度分布では、震源に近い三重、和歌山、徳島、高知の各県の半分以上の市町村で震度7となっている。さらに、名古屋市も震度7、大阪市でも震度6強など、都市部も激しい揺れに見舞われることがわかった。震度6弱以上が想定される市町村は関東地方から九州地方の広範囲にわたり、24府県687市町村に上っている。

 また、検討会は、茨城県から沖縄県にかけての津波の高さの想定も公表した。11都県90市町村では10メートル以上の大津波となり、徳島、三重、愛知、静岡の各県や東京都の島々では20メートルを超える巨大な津波が想定されている。中でも高知県が最も高く、黒潮町で34.4メートル、土佐清水市でも31.8メートルとなった。高知県や和歌山県、静岡県では、津波の高さが1メートルに達するまでの時間はわずか2分で、東日本大震災の時と比べて避難のための時間が短いという。

 中川正春防災相は「今回の発表で既存の各地の防災計画が否定されるものでなくて、従来のものに最大級津波を想定した考え方を加えて、備える方針の対策を作っていく」と述べた。

 検討会は今後、ハザードマップ作りの基本となる津波浸水エリアなども公表して、6月頃までに建物や人的被害などの想定をまとめることにしている。