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滋賀・嘉田知事、大飯原発再稼働に否定的

2012年3月30日 4:35
滋賀・嘉田知事、大飯原発再稼働に否定的

 福井・おおい町にある大飯原発の再稼働問題で、経産省の原子力安全・保安院は29日、福井県に隣接する京都府と滋賀県を訪れ、知事らに対し、大飯原発の安全性の評価結果を報告した。しかし、説明を受けた知事らは、再稼働に否定的な姿勢を示した。

 再稼働が検討されている大飯原発をめぐり、隣接する自治体側の要請を受けて、保安院がストレステストの結果などを説明する機会が設けられた。保安院・黒木審議官は29日、京都府と滋賀県を訪れ、午前に京都・山田啓二府知事と、午後には滋賀・嘉田由紀子県知事と面会した。原発を抱える自治体以外で説明が行われるのは初めて。

 黒木審議官から説明を受けた山田知事は、記者団に対して「『今のところ、福島と同じくらいだったら耐えられますよ』みたいな話で、じゃあ原発をどんどん動かしてくださいということを、地元の知事としてとても言う気持ちはない。今日の説明を聞くとさらに不安になる」と述べた。

 また、黒木審議官は嘉田知事に対し、「福島第一原発を襲ったような地震と津波が来襲した場合でも、燃料の損傷を防止する対策は講じられているというふうな結論を得た」と説明したが、嘉田知事も再稼働に否定的な姿勢を示した。

 嘉田知事は黒木審議官の説明に対し、「福島第一原発の原因究明がはっきりできていないのに、どうして対策がとれるのかということが論理的に理解ができない。私どもがまず納得するというところで、(再稼働の)ご判断をいただきたい」と述べている。

 大飯原発がある福井県に隣接する京都府と滋賀県にとっては、原発の再稼働を他県の話として片づけられない事情がある。一方で、政府は近く、福井県とおおい町に再稼働を要請し、理解が得られれば再稼働を最終判断する方針を示している。