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消費増税法案を閣議決定 国民新党“分裂”

2012年3月30日 12:55
消費増税法案を閣議決定 国民新党“分裂”

 野田内閣は30日朝の閣議で、消費税増税法案を閣議決定した。一方、同法案をめぐって、連立を組む国民新党は事実上、分裂した。

 野田首相が「不退転の決意」で今国会で成立させるとしている同法案は、15年までに消費税率を段階的に10%まで引き上げることが柱となっている。野田首相は年度内の閣議決定を実現して一つのハードルをクリアしたことになり、同法案は国会に提出され、与野党の論戦が始まる。

 一方、同法案をめぐって、連立を組む国民新党は事実上、分裂した。国民新党の副代表でもある自見金融相が同法案に署名する一方で、亀井代表は30日朝、野田首相に対し、同法案の閣議決定には応じられず、連立から離脱する意向を伝えた。野田首相は「非常に残念だが、やむを得ない」と応えたという。

 亀井代表は会見で「民主党の残念な選択の中で、連立を解消せざるを得ないということは残念でありますが、やむを得ない。私が代表で連立を解消しているのに、(自見大臣が)国民新党の一員として閣議決定・署名するってことは、頭がくらくらしてくるな。そんなことあるのかい」などと述べた。

 総勢8人の国民新党だが、亀井代表と亀井亜紀子政調会長が「連立から離脱する」、他の6人は「離脱はしない」としていて、29日夜から混乱が続いている。

 また、同法案に反対している民主党・小沢元代表に近い議員らは、30日朝、国会内で集まった。政務3役や党役員を集団で辞任することも検討していたが、まとまった動きにはなっておらず、辞任しても数人にとどまる見通し。

 首相官邸では、今回はなんとか最小限のダメージでとどめたと受けとめているが、「法案の採決の時が勝負だ」と、今後の波乱を覚悟する声も聞こえている。