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非正規労働者の厚生年金適用を拡大~厚労省

2012年3月20日 2:28
非正規労働者の厚生年金適用を拡大~厚労省

 厚労省は19日、「社会保障と税の一体改革」の柱の一つとして、パートなどの非正規労働者約45万人を企業の厚生年金に加入しやすくする制度改正と、保険料負担が増える企業の負担軽減策を決めた。

 厚労省の特別部会は19日、パートや派遣労働者のうち、労働時間が週20時間以上、年収94万円以上で勤務期間が1年以上の人を、働く企業や、登録している派遣会社の厚生年金と健康保険に加入させるという厚労省案を了承した。中小企業に配慮し、対象を従業員501人以上の企業とするが、保険料を加入者と企業が半分ずつ負担するため、パート労働者が多い流通業や飲食業界は「負担が多くなる」と反発を強めている。

 これを受け、厚労省が19日に発表した企業の負担軽減策は、企業の健康保険組合が加入者の数に応じた額を納めている「後期高齢者医療制度への支援金」と「介護保険への納付金」の一部を軽減し、その分を他の企業の健康保険組合や公務員共済などで広く負担する仕組みとなっている。

 政府は今の通常国会に関連法案を提出し、16年度に適用拡大を目指すが、法案が成立するかは不透明。