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EU首脳会議 信用不安対策の新条約で合意

2012年1月31日 11:04

 EU(=ヨーロッパ連合)は30日、ベルギー・ブリュッセルで首脳会議を開き、信用不安への対策として、財政規律を強化し、ルールを破った国に対しては自動的に制裁を科す新たな条約を結ぶことで合意した。

 会議では、構造的な財政赤字をGDP(=国内総生産)の0.5%以内とすることを憲法などに明記し、赤字が3%を超えた場合は自動的に制裁を科す新たな条約を結ぶことで合意した。非ユーロ圏のイギリスとチェコは憲法上の理由などで参加せず、25か国で3月に正式に調印する見通し。

 もう一つの懸案が、ギリシャの債務問題。ギリシャをめぐっては、債務の元本の50%をカットすることですでに合意しているが、民間金融機関がどの程度損をするかで交渉が難航している。3月には国債の大量償還を迎えるため、交渉が決裂すれば、借金を返せなくなる「デフォルト」になるおそれが高まっている。

 ドイツは会議で、ギリシャの予算編成の権限をEUの監視下に置くことを提案。メルケル首相は「(ギリシャは)特別なケースだ」と強調したが、ギリシャやフランスなどが反対し、結論は出なかった。EU・ファンロンパイ大統領は今週末までに合意するよう強く促したが、ギリシャ問題は解決できていない。