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量子物理学の基本原理に欠陥 名大など実証

2012年1月16日 8:48

 85年にわたって量子物理学の基本原理として広く考えられ、高校の教科書にも載っている「不確定性原理」の式が成り立たないことがあるという実験結果を、名古屋大学などの研究グループが世界で初めて観測した。

 27年にドイツのハイゼンベルクによって提唱された「不確定性原理」は、「位置と速度を同時に正確に測定することはできない」とする原理で、ハイゼンベルクはノーベル賞を受賞している。

 名古屋大学などの共同研究グループは、世界で初めてこの不等式が成り立たない状況を示す実験結果の観測に成功したと発表した。名古屋大学・小沢正直教授は、03年にハイゼンベルクの不等式を修正する不等式を発見していて、今回の実験では、ハイゼンベルクの不等式が成立せず、小沢教授の不等式が成立する状況を観測した。

 この観測結果は、より綿密な測定技術の開発に応用でき、新しい携帯電話や、スーパーコンピューターを超えるコンピューターの開発などにつながるという。