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野田首相に“変化”のワケ

2012年1月10日 20:08
野田首相に“変化”のワケ

 参議院で問責決議を受けた一川防衛相と山岡消費者相。この2人について野田首相は続投させる考えを示していたのですが、一転して交代させる方向となりました。そこにはこんなワケがありました。

 6日に行われた“新党大地”の結党会見で、新年早々この人がほえました!この党の命名者、松山千春さんです。

 「最初メンバーを見た時に、なんだこりゃ、と」

 「あぁワケあり新党なんだな、と」

 「新党大地・真民主、天下を獲りに行きます」

 鈴木宗男元衆議院議員が代表を務める新党が旗揚げ。与党の側で政治活動すると言いながらも、鈴木宗男氏は「消費増税には反対であります。TPPも反対であります」と、野田政権と一線を画す姿勢を強調しました。

 消費税をめぐっては小沢元代表も「私の旧来からの主張は変わっておりません」と、依然、野田首相に反対の立場。

 年が明けても悩みのつきない野田首相ですが、身内である山岡消費者相からも新年早々、こんな発言が。

 「近々の最大の大きな津波は、ユーロは破たんするんじゃないかと」

 「中国のバブルもこれもまた破裂する可能性がある訳で…」

 ユーロ、そして中国経済を津波に例えたうえで危険性を強調するというなんとも不用意なものでした。藤村官房長官も「私も聞いていてこれちょっと誤解を招きかねないなと」「不適切であったと言わざるを得ないかとは思う」と、苦言を呈しました。

 先月、山岡消費者相は一川防衛相とともに参議院で問責決議を受けたばかり。しかし、野田首相は2人を交代させる考えはないと繰り返してきました。ところが、おととい野田首相は13日にも内閣改造をおこなう意向を示唆。

 「しっかりと態勢をつくっていくという意味で、閣僚に全部集まってもらう」

 2大臣を交代させる方向へと“変化”したのです。

 ではなぜ野田首相に変化が起きたのか。その原因は消費税増税を含む、“社会保障と税の一体改革”でした。

 年末、先月29日に行われた党税調合同総会での一コマ。消費税率を2014年4月と2015年10月の2段階で10%まで引き上げる案をまとめたその場で、野田首相はこう話していました。

 「少しスタンスは攻めにいかなければいけないと思っています」

 すると会場も…。

 「そうだ!」

 消費税増税に向け「君子豹変(ひょうへん)す」。野党に対して攻めの姿勢でいく、と宣言!6日に開かれた時事通信社など主催の新年互礼会では、さっそく谷垣総裁を見ながらこう呼びかけました。

 「ちょうど目の前に谷垣総裁がお見えでございますがよろしくお願い致します。正式には来週でございますが…予行演習も兼ねています」

 え?予行演習を兼ねて?谷垣総裁の答えは…。

 「こういう呼びかけをなさるからには、私どもはその覚悟を問いたい」

 与野党協議よりまず解散総選挙を、というつれな~い返事。公明党・山口代表からも「国民に対する約束を破ったことのケジメがついていないのではないでしょうか」と、きつい一言が。

 ネバーギブアップと決意を語った野田首相ですが、目の前には高い壁がそびえています。