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2012年 スマートフォン市場の展望

2012年1月1日 3:07

 11年は、スマートフォンのヒットが話題になり、街ではスマートフォンを手にする人の姿も多く見受けられた。

 調査会社「MM総研」によると、11年4月から9月に出荷した携帯電話端末のうち、49.5%がスマートフォンだという。携帯電話各社も、スマートフォンの新機種発売に力を入れ、多くの機種を市場に投入した。

 また、経済にも好影響を与えた。12月に公表された「企業短期経済観測調査(日銀短観)」では、企業の景況感を示す、景気が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた企業の割合を引いた指数で、通信分野は44ポイントとスマートフォンの好調が好材料となった。

 12年、スマートフォンはさらに身近になる。スマートフォン市場が一巡し、「高付加価値」が求められていく。11年、種がまかれた高速通信が本格的に普及し始め、機能もさらに充実する見通し。

 一方、スマートフォン急増の裏側で、通信量の増加という問題にも対応していかなければならない。通信や通話に障害が出るなど、影響が出始めているため、携帯電話各社ともどう対応していくのか、設備の増強や代替通信手段の無線LANなど、今後の大きな課題となっている。

 さらに、世界市場でのシェアをどう拡大していくのか、戦略的な販売も求められる。

 流行品から生活必需品への過渡期とも呼ぶことができる12年。端末メーカーや携帯電話会社、アプリケーションの開発会社など、主導権争いがますます激しさを増しそうだ。