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劣化したシリコンゴムから大量の水素漏れか

2011年12月27日 22:32

 福島第一原子力発電所事故で、爆発を起こした大量の水素が原子炉内から建屋に漏れ出た経緯について、経産省の原子力安全・保安院が27日、分析結果を公表した。

 福島第一原発の1号機と3号機で起きた水素爆発は、原子炉の中で発生した水素が格納容器から漏れて建屋にたまったために起きたと考えられている。

 保安院が27日に公表した分析結果によると、格納容器の結合部分に使われているシリコンゴムが熱と圧力で劣化し、この部分から大量の水素が漏れだした可能性が高いという。

 4号機の水素爆発は、隣の3号機の格納容器内の気体を外に逃がすベント操作が行われた際、4号機側に逆流した結果だと分析した。4号機には、逆流を防止する装置がついていなかった上、手動で弁を閉める作業も手順書になかったために行われなかったという。

 また、1号機から3号機では外に逃がした気体が建屋内に戻っていた可能性もあるが、国内の他の原発でも同様の設計になっていることから、保安院では今後さらに分析を進めたいとしている。