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八ッ場ダム建設継続、国交相が知事らに報告

2011年12月23日 2:46
八ッ場ダム建設継続、国交相が知事らに報告

 建設の是非をめぐって政府と民主党の意見が対立し、調整が続いていた群馬・長野原町の八ッ場(やんば)ダムについて、国交省は22日、「建設継続」を発表した。前田国交相は22日夜、長野原町に入り、知事や町長らに建設継続の方針を伝えた。

 八ッ場ダムをめぐっては、国交省関東地方整備局が今月までに、洪水対策の効果などを検証した結果、「建設継続が妥当」とする報告をまとめていた。しかし、当時の国交相で、マニフェストに建設中止を掲げた民主党の前原政調会長は、政府に「ダム建設を認めない」とする党の方針を伝えるなど、意見の対立が続いていた。

 前田国交相は22日、八ッ場ダムの建設継続を決め、ダム本体工事に必要な経費を来年度予算案に計上することを発表。「当初のマニフェスト通りの結果を得られなかったのは残念だが、ある意味、苦渋の決断をさせていただいた」と述べた。

 前田国交相は22日夜、建設予定地の長野原町に入り、知事や町長らと面会した。盛大な拍手で出迎えられた前田国交相は「この2年間、皆様方には大変ご迷惑をかけ、つらい思いをさせました。やっとおわび方々、皆様方にご報告に参ることができました」と挨拶した。

 群馬・大沢正明県知事は「先の見えない不安の中で、非常に厳しい環境でこの2年間やって参りました。今日、前田国交相の報告を聞いて、どれだけ胸が本当にホッとしているか、計り知れないものがあろうかと思います」と述べ、今後、国としてダム完成に向けて全力を注ぐよう要請した。

 前田国交相はこれに対し、生活再建のための法案を通すなど、地元住民とともに頑張りたいと意欲を見せた。