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すばる望遠鏡、最も遠い銀河を観測

2011年12月16日 11:22

 国立天文台は15日、アメリカ・ハワイ島マウナケアにある大型望遠鏡「すばる」が、最も遠い銀河の観測に成功したと発表した。宇宙誕生の仕組みを知る上で、重要な手掛かりとなりそうだ。

 今回、すばるなどが観測したのは、地球から129億1000万光年離れた銀河で、今年4月にヨーロッパのグループが発見した銀河の記録を1000万光年、上回った。

 国立天文台ハワイ観測所・藤原英明博士は「宇宙の『夜明け』が、どういう状態でいつだったのかを探るために、遠くの銀河を研究するのは大事」と話す。

 宇宙誕生の「ビッグバン」は約137億年前とされていて、こうした宇宙が生まれて間もない頃の銀河の発見は、宇宙の進化を研究する上で重要な手掛かりとなる。また、日本やアメリカ、カナダなど5か国は、銀河をさらに細かく見ることができる超巨大望遠鏡の建設を計画している。

 藤原博士によると、「各国の得意な技術を結集して、より良い望遠鏡を作ろうというのが国際協力の目的」という。

 今後、地球のように、生命が生存するために適した環境を持つ「第2の地球」の観測も積極的に進める方針。