反政府デモが続く中東のイエメンで７日、野党指導者を首相とする暫定政権が発表された。来年２月に予定されているサレハ大統領の退陣に向けて、大統領選の準備などを担うことになる。

　イエメンでは、サレハ大統領が３０年以上にわたり、独裁体制を敷いてきた。しかし、中東各国の民主化の影響を受け、今年初めから辞任を求めるデモが続き、周辺国の仲介もあり、ついに先月、サレハ大統領が退陣を表明した。

　暫定政権は来年２月予定の大統領選を公正に進め、新政権発足に橋渡しをするもので、首相には野党指導者・バシンドワ氏が就任した。ロイター通信によると、閣僚ポストは与野党双方が半分ずつ分け合う形となっている。

　ただ、一部デモ隊はあくまで大統領の即時辞任を求めており、混乱が収まるかは不透明となっている。