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波の力で発電!「ウミヘビ」潜入取材

2011年12月8日 11:00

 イギリスに、波の力を利用した発電計画を進めている島がある。その形から「ウミヘビ」と呼ばれる波力発電所を、渡辺祐史記者が取材した。

 北海道よりも北に位置するオークニー諸島。周辺の海域では、大西洋と北極海がぶつかり、激しい潮流や高い波が生み出される。こうした海の力「ブルーエネルギー」を発電に利用しようと、各国の企業がこの場所で最先端の研究を行っている。

 ブルーエネルギーとして注目される技術の一つが、スコットランドの会社が開発している全長約180メートルの潜水艦のような施設で、その姿から「ウミヘビ」とも呼ばれている。

 波は風力などと違い、天気が穏やかでも荒れていても絶えず動きがあるため、安定的に発電できるのが長所。商用化が実現すれば、一基で750キロワット、スコットランドの標準家庭500世帯分の電力を供給できるという。

 オークニー諸島でこうした海洋エネルギーの開発が進む背景には「20年までにスコットランドの全電力を再生可能エネルギーで補えるようにする」という自治政府の壮大な方針がある。

 欧州海洋エネルギーセンターのニール・カーモード所長は「日本も海洋国家で、こうした海の力を必要としているはず。海は収穫しなくては。今はまさにその時だ」と話す。

 四方を海に囲まれた日本にとっても将来、利用できる可能性のあるブルーエネルギーが生まれようとしている。