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評価書の年内提出に向け、理解得る~首相

2011年11月30日 20:18
評価書の年内提出に向け、理解得る~首相

 沖縄県の基地問題をめぐる不適切な発言を理由に、防衛省の局長が29日に更迭されたことを受け、野田首相は30日朝、陳謝した。一方で、アメリカ軍普天間基地(沖縄・宜野湾市)移設のための環境影響評価書の年内提出に向け、沖縄県の理解を得ていくことに全力を尽くす考えを強調した。

 この問題は、普天間基地の辺野古(沖縄・名護市)移設に向けた環境影響評価書の提出をめぐり、沖縄防衛局・田中局長が性的暴行になぞらえて沖縄県民や女性を侮辱するような発言をしたとして、29日に更迭されたもの。

 野田首相は30日朝、「更迭は当然の措置だったろうというふうに思います。沖縄県民の皆さまには大変ご迷惑をおかけし、感情を思いますと、誠に申し訳なく思います。私からも、心からおわび申し上げたいと思います」と陳謝した。

 一方で野田首相は、普天間基地移設のための環境影響評価書の年内提出に向け、沖縄県の理解を得ていくことに全力を尽くす考えを強調した。

 野田首相「環境影響評価書については、提出する準備はしておりますけれども、今まで以上に沖縄の皆様に、誠心誠意、普天間を移設するためには日米合意に基づいて、沖縄の負担を軽減しながら、進めていくと、早く普天間の危険性を除去していかなければいけないということ、こういうことをですね、これまでの誠心誠意を徹底していなかったことは極めて遺憾でありますけれども、あらためて襟を正して緊張感を持って説明をし、ご理解いただけるように全力を尽くしていきたいと思います」

 局長の更迭を受け、防衛省・中江事務次官が30日、沖縄を訪問しているが、野田首相自身は「適切な時期を選んで行きたい」と述べるにとどめている。

 また、この問題をめぐっては、野党側から一川防衛相の責任を問う声が上がっている。公明党・漆原国対委員長は30日、一川防衛相に対する問責決議案の提出も検討する考えを示しており、終盤国会の火種となりそうだ。