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防衛相「弁解の余地なし」田中局長を更迭

2011年11月29日 22:22
防衛相「弁解の余地なし」田中局長を更迭

 沖縄県にある防衛省の出先機関・沖縄防衛局の田中聡局長が28日、アメリカ軍普天間基地(宜野湾市)の名護市辺野古移設に向けた環境影響評価書提出を、性的暴行になぞらえる発言をした問題で、一川防衛相は29日夜、田中局長を更迭した。

 この問題は、田中局長が28日夜に開かれた記者との非公式な懇談の席で、アメリカ軍普天間基地の移設先とされる名護市辺野古の環境アセスメントの評価書を沖縄県に提出する時期を問われたのに対し、「これから犯す前に犯しますよと言いますか」などと、政府と沖縄県との関係を性的な暴行になぞらえた発言をしたというもの。

 田中局長は29日午後に上京し、一川防衛相に対し、「少なくとも『犯す』という言葉は使っていない」とした上で、「そのように解釈されかねない状況・雰囲気だったと思う」と説明した。その上で、「今回の件で女性や沖縄の方を傷つけ、不愉快な思いをさせたことを誠に申し訳なく思い、おわび申し上げたい」と述べたという。

 これを受け、一川防衛相は「沖縄県との信頼関係を失いかねない重大なことで弁解の余地はない」として、29日夜、田中局長の更迭を決めた。更迭は、環境アセスメント評価書の年内提出を控え、基地移設への影響を考慮したものとみられる。