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連携模索?そこに『民意』は…

2011年11月29日 19:50
連携模索?そこに『民意』は…

 大阪ダブル選挙の結果は中央政界に早くも影響を与えはじめています。『民意』を得たとして“大阪都構想”に第一歩を踏み出した橋下氏との連携を模索する動きも見え隠れする中、改めて『民意』について考えてみます。

 16日に行われた高橋千秋議員のパーティーでの一コマ。

 「実は今、大事なブータンの国王が日本に来ておられて、それがいま、宮中で催し物があるんですけれども、他の大臣はみなそちらに行きましたけれども、私はこちらの方が大事で…」

 先日、ブータン国王を歓迎する宮中晩さん会を欠席し、同僚議員のパーティーに出席した一川保夫防衛相です。

 この発言に批判が集中!

 22日に国会で開かれた参議院外交防衛委員会では「私の言動については深く反省致しております」と、陳謝。自民党・佐藤正久議員からはこう詰め寄られていました。

 佐藤議員「そもそもこれだけ非礼を働いたブータン国王の名前ご存じですか?」

 すかさず秘書官が一川防衛相に耳打ち…

 一川防衛相「すんません。ワンチュク国王だと思います」

 その日の夕方、一川大臣は一連の行動を批判する「民意」を受け止め、自らの発言を謝罪するためブータン領事館を訪れていました。

 一川防衛相「ブータンの総領事にお会いしてこの度のことで色々とご迷惑をおかけして申し訳ないというお話をしました」

 お詫び…そうでしょうねぇ。

 「大使はブータン国王もあまりご存じのないことだしあまり気にしなくて良いですよと」

 …ま、そうでしょうねぇ。

 「お土産をもらって帰ってきました。ははは」

 ええっ?お詫びにいったはずがお土産…ですかぁ。

 さて、27日に橋下氏率いる「維新の会」の圧勝で終わった大阪府知事選・市長選のダブル選挙。万歳三唱の声が響いています。大阪市役所職員もこの圧勝ぶりに「あれだけの民意で当選されましたので、おっしゃるとおりに従うしかないと考えてますけど」と、現状を受け入れているようです。

 圧勝した一つの理由は…橋下氏の主張する“大阪都構想”。

 橋下前大阪府知事は選挙期間中、「僕は大阪都を作りたい。日本を東の東京都と、西の大阪都でひっぱりたい!」と訴え続けてきました。

 選挙はもっとも直接的な「民意」。選挙戦勝利で“大阪都構想”に第一歩を踏み出した形ですが…。

 28日、米倉経団連会長との懇談会を終えた川端総務相は、その“大阪都構想”に対してこう述べました。

 川端総務相「法律にありませんから、東京都以外はできる仕組みになってませんから。そういう意味でこれから地方においてどういう議論をされていくのか、見守りたいとは思っています」

 そう、「都」になるためには、まず府議会と市議会の決議、そして住民投票、さらには地方自治法の改正が必要なんです。さらにこの人も…

 「都っていうのは、キャピタルっていうのはね、その元首がいて国政があるところ」

 「ただやっぱり、大大阪を復活させようというのは結構です」

 応援していたはずの石原都知事も「都」には懸念を示しました。橋下さんは、今後大阪のみならず国全体に具体的な手法、政策を示さなくてはなりません。

 これからは大阪だけでなく、さらなる民意も必要になってくると言えそうです。

 さて、今回の大阪ダブル選挙。小泉フィーバー、すなわち郵政選挙に重ねる人もいます。

 郵政選挙では反対した現国民新党・亀井静香代表。かつては小泉元総理から「抵抗勢力」とも呼ばれましたねぇ。

 そんな亀井さんも、25日の定例会見では、こう発言しました。

 亀井代表「石原都知事は大変なリーダーシップ持ってるし、発信力あるし、また地方でも橋下(前)府知事も一生懸命戦ってるけどね、そういうものを結集していけばいい話。私は縁の下の力持ちでいい」

 今や、橋下フィーバーを味方につけようと、連携模索です。

 連携といえば、みんなの党・渡辺喜美代表も…

 「大阪維新の会のアジェンダというのはまさに、みんなの党のアジェンダそのものですよ。ですから我々はアジェンダが一致する範囲で連携しましょうと」

 橋下さんに熱烈ラブコ~ルです。

 さらに、大阪都構想についてこのお二人も…。

 藤村官房長官「様々なご意見・ご要望はよくお伺いしたいと思う」

 自民党・谷垣総裁「我々も勉強していかなきゃならんと思います」

 「維新の会」は、もはや既成政党にとって無視できない存在のようです。

 しかし!ここで政治家の皆さんに改めて『民意』は何かを伺いたいと思います。

 「政策抜きの数合わせはまっぴら」

 それが有権者共通の『民意』ですよ!