議会選挙を２８日に控えたエジプトでは、２６日もデモの参加者１人が死亡するなど、緊張状態が続いているが、暫定統治する軍は投票期間を延長するなどして選挙を予定通り実施する方針。

　暫定統治する軍は、２日にわたって投票をできるようにするなど混乱回避に全力を挙げる方針で、投票日に向けて急ピッチで準備が進んでいる。現地では、選挙が予定通り行われる可能性が高まってきたことから、騒動を受けて一時は自粛ムードだった選挙活動も再開している。

　また、今回の選挙では、民主的な選挙をアピールしたいエジプト当局により、記者にいち早く情報を提供するメディアセンターが設置されることになった。エジプトでは初めての試みだという。選挙管理委員会は「エジプト初の民主的選挙です。選挙を取材したい人、全てに開かれています。これが民主主義です」と話している。

　一方で、首都・カイロ中心部のタハリール広場には、軍の暫定統治に反対する人々がとどまり、「軍の下では公平な選挙はできない」として、延期を求めている。

　地元メディアによると、新たにデモ隊の１人が死亡するなど衝突は続いており、騒然とした状況の中、節目の選挙を迎えることになる。