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首相、仕分け議論を視察 提言の実現に意欲

2011年11月22日 18:45
首相、仕分け議論を視察 提言の実現に意欲

 国の重要政策について議論し、方向性を提言する「政策仕分け」は22日、3日目を迎えた。野田首相は午後、会場を訪れ、社会保障の議論に耳を傾けた。誰もが危機感を強めている社会保障の安定の実現について、野田首相は「政府全体で取り組む」と強調した。

 医療に関する議論では、救急や産科などの勤務医が負担が大きい割に給与が低いため、結果として離職率が高くなっている現状を改善できないか議論された。その結果、中長期的には開業医と勤務医の収入を同じレベルにすべき、などの提言がまとめられた。

 野田首相は議論を視察し、提言の実現に意欲を示した。

 野田首相「外部の目、公開性、そういう中で議論するということは大事だということをあらためて実感しました。(Q仕分けには法的拘束力がないが?)最大の拘束力は国民の皆さまが見ていること。最大の拘束力ではないでしょうか。国民の皆さんの前で議論したこと、出てきた方向性は、政府がしっかり受けとめて、特に予算編成に反映していくことは、あらためて私は各閣僚には指示したい」

 社会保障の費用は今後も増え続ける。このため、仕分け側は、若い世代の負担を減らして制度を長持ちさせるために、年金の受給額を減らすなど、国民の痛みを伴う内容にも踏み込む提言を出すことも視野に入れている。

 一方、野田首相は、来年の通常国会で消費税率引き上げ関連法案を成立させたい考えで、民主党内は、さらなる国民の負担増に反対する声が根強いのが現状。仕分けの結果を自らのリーダーシップで形にしていけるか、野田首相の覚悟と実行力が問われることになる。