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東南アジア市場めぐり、日中で主導権争い

2011年11月19日 9:47
東南アジア市場めぐり、日中で主導権争い

 野田首相は日本時間18日、インドネシア・バリでASEAN(=東南アジア諸国連合)との首脳会談を行い、2兆円に上るインフラ整備支援を約束した。背景には、東南アジア市場をめぐる中国との主導権争いがある。

 東南アジア地域は、信用不安に揺れるヨーロッパなどに比べて、手堅い成長を続けている。今年のASEAN関連首脳会合では、日本と中国がこの成長力を取り込もうと積極的な外交を繰り広げた。

 野田首相はASEANとの首脳会談で、東南アジア各国を結ぶ高速道路や港をつくり、流通ネットワークを築くなど約2兆円のインフラ整備への協力を約束した。会談後、「いずれの会議を通しても、日本への強い期待を感じられる」と述べ、手応えを感じたもよう。

 中国・温家宝首相も、ASEANとの首脳会談でインフラ整備に約8000億円の追加借款を行うと表明した。中国もASEANの取り込みに余念がない。

 また、アメリカ・オバマ大統領はトップセールスを展開。ロイター通信によると、インドネシアとの間で「ボーイング」の旅客機約1兆6000億円の商談が成立し、調印が交わされた。

 日本時間19日は、インドやオーストラリアなども加わる東アジアサミット(=EAS)が開かれる。ここでは中国海軍が存在感を強める南シナ海の問題をめぐり、アメリカと中国が火花を散らすことになりそうだ。