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米大統領、日本のTPP交渉参加方針に満足

2011年11月13日 19:11
米大統領、日本のTPP交渉参加方針に満足

 アメリカ・ハワイを訪問している野田首相は日本時間13日朝、ホノルルでオバマ大統領と首脳会談を行い、環太平洋経済連携協定(TPP)の交渉参加に向けて協議に入る方針を伝えた。会談に同席した関係者は、方針を伝えた際、「オバマ大統領は満足げに聞いていた」と話している。

 今回、野田首相は会談に合わせ、オバマ大統領の大好きだったクッキーを用意するなど周到に準備を進めた。ある官邸関係者は、普天間問題で解決の糸口がいまだ見えない状況で「今回、TPPで結論を出せなかったら、日米の信頼関係はどん底に落ちていた」と苦しい胸の内を話している。

 前回の会談で、オバマ大統領が「野田首相とは仕事ができる」と期待感を示したこともプレッシャーになっていたともいえる。

 一方、アメリカ政府が「野田首相が会談で『全ての産品、サービスを交渉テーマにする』と伝えた」と発表したが、日本政府が「そうした事実はない」と申し入れ、撤回される一幕があった。実は、アメリカ国内には、TPPでは関税障壁の撤廃が原則という中で、日本の本気度を疑う見方が根強くある。野田首相が国内の慎重派に配慮し、政府方針をめぐる表現を一歩後退させたことに象徴されるように、今後の協議で日本が多くの特例を求めてくるのではないかと疑っているのだという。

 ある政府関係者が「これからがイバラの道だ」と述べているように、野田政権は先の長いレースのまさにスタートラインに立ったばかりというのが現実だ。