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福島第一原発、敷地内を報道陣に初公開

2011年11月12日 19:34
福島第一原発、敷地内を報道陣に初公開

 復旧作業に影響が出るなどとしてこれまで報道陣への取材許可が下りなかった福島第一原子力発電所の様子が12日、初めて公開された。

 取材はほとんどバスの中からだったが、敷地内に入ると放射線量が上がり始め、最も高いところでは一時間に500から1000マイクロシーベルトに達した。

 事故が起きた1号機から4号機を高台から望むと、水素爆発が起きた1号機はすでに建屋カバーで覆われていた。3月14日に水素爆発が起きた3号機は依然、屋根の部分が吹き飛んだままとなっている。海側の道路では、小さながれきは取り除かれていたが、津波で流されたトラックやポンプ、タンクなどは残されたままとなっていた。

 また、現場で事故収束作業の指揮を執っている福島第一原発・吉田昌郎所長が初めてインタビューに応じ、事故当時の状況や原子炉の現在の状況を語った。

 吉田所長「(Q事故直後は)3月11日から1週間は、次がどうなるか想像できない中で、できる限りのことをやった。極端なことを言うと、もう死ぬだろうと思ったことが数度ありました。(Q現在の状況は)原子炉の各部の温度変化やそれ以外のデータを見ている限り、原子炉圧力容器だけでなく、格納容器内も含めて冷却されている状態であり、安定である」

 現在の原子炉内は安定し、作業環境もだいぶん整理されているが、復旧に向けた道のりは今後も困難が予想される。