ピアニスト・辻井伸行さんが１０日、アメリカ・ニューヨークでの本格デビューを果たした。

　辻井さんは今回、世界で最も注目されるピアニストの一人として、音楽の殿堂「カーネギーホール」に招かれた。演奏したムソルグスキーの「展覧会の絵」は、辻井さんが中学生の頃から憧れだった曲。３０分以上の大曲を時には軽やかに、時には力強く演奏し、観客を魅了した。拍手は鳴りやまず、スタンディングオベーションが起きた。観客からは「素晴らしかった」「目が見えないのは彼ではなく、私たちだと思います」という声が聞かれた。

　辻井さんは演奏後、「夢だったカーネギーホールで演奏できて、感動した。これをきっかけに世界に羽ばたきたい」と抱負を語った。