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首相 TPP交渉参加、きょう夜に正式表明

2011年11月11日 16:19
首相 TPP交渉参加、きょう夜に正式表明

 衆議院予算委員会では11日、TPP(=環太平洋経済連携協定)への交渉参加をめぐり、集中審議が行われた。与党内の慎重論に配慮して自らの最終判断を1日先送りした野田首相だが、審議後に交渉参加の方針を発表する流れは変わらないとみられ、野党側は「国会軽視だ」と追及している。

 野田首相「慎重な判断を求めるという提起もあったので、そういうことも含めて、しっかりとさらに議論を詰めていこうということで1日延ばしたということです」

 自民党・赤沢議員「ただ慎重判断と言われたから、1日だけ判断を延期したというのは茶番ですよね。現時点において、今週末のAPEC(=アジア太平洋経済協力会議)首脳会議でTPP交渉参加を表明するかどうかはまだ決めておられないんですね?」

 野田首相「各党のご意見などもしっかりお伺いし、議論をさせていただき、その上で引き続き政府と与党の三役会議だとか、閣僚間での議論などを経た上で判断をしてきたいと思う」

 赤沢議員は「国会や国民に説明する前にAPECの場で態度を表明すれば、国会軽視で非民主的だ」と野田首相の姿勢を批判した。これに対し、野田首相は「しっかりと議論して早急に結論を出す」という従来の答弁を繰り返す一方、「交渉参加をするとするならばですよ、それは当然、国策を、国益を最大限を守るために交渉に入っていくという決意をもっていくことだと思います」と述べ、交渉参加への意欲をにじませた。

 民主党の慎重派を束ねる山田前農水相は11日午後、輿石幹事長を訪ね、この問題で両院議員総会の開催を求める署名を提出した。慎重派議員の一人は「署名は141人分で、開催に必要な人数は集まった」としているが、輿石幹事長は「時間的制約があり、開催は難しい」と答えたという。

 藤村官房長官は11日午前の記者会見で、「(党内を)二分するほどの話かな、つまり交渉参加ということに関してです。いよいよ協定に調印するという時には、それは二分する話になると思います」と述べ、党内の慎重論が今後も根強く残るという認識を示した。

 11日は、集中審議の後、夕方に政府・民主三役会議と閣僚委員会で政府・与党としての方針を確認した上で、夜には野田首相がTPP交渉参加を正式に表明する見通し。APECへの出発を12日に控え、最終局面は綱渡りの日程となる。