洪水に襲われているタイの首都・バンコクでは、中心部に向かって水が南下している。

　洪水が広がりつつある現場の一つである、中心部から北に約２０キロの場所では、３０日は水がなかった。しかし、通りにあふれた水は濁っていて、３１日は足元が見えない高さになっている。

　中部・アユタヤなどで洪水を起こした大量の水は、バンコク中心部に迫っている。タイ政府は、北から押し寄せてくる水を市内の東西の水路に流し込んで、中心部の浸水を防ごうとしている。インラック首相は３１日、「水の流入が止まれば、バンコクは深刻な洪水にはならないでしょう」と述べ、排水作業は順調に進んでいるとして楽観的な観測を示した。

　しかし、これまでも度々、状況を見誤り、事態の悪化を招いただけに、市民を安心させるまでには至っておらず、全域での厳重な警戒が続いている。