野田首相の所信表明演説に対する代表質問が３１日、衆議院本会議で始まり、自民党の谷垣禎一総裁と小渕優子幹事長代理が質問に立った。野田首相の実直な人柄は故・小渕恵三元首相と似ているとの指摘もあるが、娘である小渕幹事長代理は「課題への取り組みや成果が、父親とは天と地ほども違う」と述べた。

　小渕幹事長代理「『冷めたピザ』と言われた父と、ドジョウを自認される野田首相。人柄も似ているのかもしれません。しかし、直面する課題に対する姿勢は全く違います。この２か月で何か具体的な成果を挙げたものがあるのでしょうか。似て非なるものどころか、天地ほどの差があるということ」

　これに対し、野田首相は「ご指摘いただき、いたみいります。リスペクト（尊敬）の念と親近感を持っていることだけはお伝えさせていただきます」と、低姿勢な答弁に終始した。

　一方、谷垣総裁は、ＴＰＰ（＝環太平洋経済連携協定）への交渉参加について、野田首相の姿勢を「極めて稚拙だ」とただした。これに対し、野田首相は、参加するかどうかについては「早い時期に結論を得る」と述べるにとどめた。

　また、野田首相は、外国人２人から約４７万円の献金を受け、２６日に全額返金したことを明らかにした。「日本人名で外国籍だとは知らなかった」と陳謝したが、野党側は今後、予算委員会などで追及する構え。