大規模な洪水に見舞われているタイの首都・バンコクは、２８日から大潮となり、浸水が拡大するおそれが高くなっている。

　バンコクのエメラルド寺院周辺の地域では、日本時間２８日午前１０時頃の満潮前から浸水が始まり、２７日はくるぶしまでの浸水だったが、満潮の時刻には膝下まで浸水、流れ込む水の量が増えているとみられる。エメラルド寺院では、入り口の土のうを越えて敷地の中にまで水が入り込んだ。チャオプラヤ川の水位は、大潮となった２８日に堤防の高さを超えたとみられる。

　タイ政府は、浸水被害の拡大を防ぐ有効な手段を打てていない。最悪のケースでは、バンコク全域で浸水し、水深が１．５メートルに達する地域も出るおそれがあるとされている。潮位の高い状態はこれから数日続き、市民の緊迫感はこれまでになく高まっている。