タイの洪水は、首都・バンコクの中心部で浸水するなど、被害がさらに拡大している。

　バンコクのドゥシット地区のチャオプラヤ川沿いの集落で２２日午後、土のうで作った堤防の一部が決壊して、水が路地に流れ込み、一時、腰の高さにまで達した。２２日はこの他、王宮に近い大学の構内など、バンコク中心部を含む川沿いの数か所で浸水した。タイ政府は、「風向きの影響で川の水位が高かったため」と説明しているが、バンコクの知事は「北から迫る洪水の一部が川に流れ込んだ」として警戒を緩めていない。

　２２日までに浸水した地域は一部に限られ、多くはすでに水が引いている。また、日本人が多く住む地区からは約１０キロ離れていて今のところ影響はない。ただ、チャオプラヤ川は水位の高い状態が続いていて、タイ政府などが厳重な警戒を呼び掛けている。