×

原発事故の自主避難者「損害賠償の対象に」

2011年10月21日 2:02
原発事故の自主避難者「損害賠償の対象に」

 福島第一原子力発電所の事故を受けて自主的に避難した人々が20日、国の損害賠償紛争審査会に初めて出席し、自主避難者を損害賠償の対象に含めるよう訴えた。

 原発事故による損害賠償の対象や範囲の目安を示した国の中間指針では、国が指定した避難区域の住民に対しては避難費用や営業損害などを賠償すべきと明記している。しかし、避難区域以外の地域から自主的な判断で避難した人々への賠償については、結論が先送りされていた。

 20日は、自主避難者や支援者らが初めて紛争審査会に出席し、自主避難者を損害賠償の対象として指針に盛り込むよう求めた。

 家族が自主避難している男性「自主避難者ということで、きょう、私は呼ばれました。しかし、自主ではありません。怖くて逃げたんです」

 自主避難している女性「自主避難者を補償するということは、お金の補償だけではないと思う。自主避難の補償、それ自体が、自主避難の権利を認めることなんです。自主避難の権利が欲しいんです」

 また、出席者からは「放射能に対する不安を抱えながらも、様々な事情から避難できずにいる人々に対しても賠償が必要だ」との意見が出された。

 審査会は、これらの意見を踏まえて自主避難者への賠償の範囲などを指針に盛り込む方針。