１８日夜に韓国・ソウルに入り、焼き肉店で「ドジョウスープ」を口にした野田首相は１９日午前、李明博大統領と首脳会談を行った。

　首脳会談は大統領府・青瓦台で行われ、両首脳は未来志向の信頼関係をさらに深めていくことを確認したとみられる。

　今回の会談で、野田首相は朝鮮王朝時代の記録「朝鮮王朝儀軌」など古文書５冊を韓国側に引き渡すことにしている。その上で、李大統領に対して、できるだけ早い時期に日本を訪問してほしいと伝える見通し。

　これに先立ち、ソウルに１８日夜に到着した野田首相は焼き肉店に向かい、ドジョウスープを口にした。庶民派をアピールし、友好ムードを演出した形。

　その一方で、今回の会談のもう一つの焦点は、中断している韓国との経済連携協定（＝ＥＰＡ）交渉の再開に向けた動き。韓国は先週、アメリカと自由貿易協定（＝ＦＴＡ）を早期に発効させることで一致するなど、各国との経済連携を加速させている。

　米韓の連携が進む中で一歩遅れた格好の日本にとって、野田首相には目に見える形での結果が求められることになる。