×

タイ最大規模の工業団地が浸水、日本企業も

2011年10月18日 3:04

 洪水被害が深刻化しているタイの中部・アユタヤでは、現地に工場を置いている複数の日本企業が浸水被害を受けた。さらに、首都・バンコクに近いナワナコン工業団地でも浸水被害が出ており、警戒が続いている。

 タイ政府は、首都・バンコクの防衛に全力を挙げている。洪水が接近している地域に水の浸入を防ぐための長い壁を築くとともに、中心部を流れるチャオプラヤ川の水量を減らすよう、川につながる水路から水を海に流すなどの対策を取っている。

 今は大潮の時期に当たり、日本時間17日夜に満潮の時刻を迎えたチャオプラヤ川では、川岸の上のベンチにまで水が上がる光景も見られた。しかし、今のところ、バンコク中心部では洪水の被害は起きておらず、市民は通常通りの生活を送っている。

 洪水の範囲が徐々にバンコクへと近づきつつあるが、タイ政府は、バンコク中心部での洪水被害は回避できるとの見解を示している。一方で、バンコクは月末に再び大潮を迎え、雨の降りやすい状態も続くということで、当分の間、警戒が必要となっている。

 また、17日、バンコク中心部に近いナワナコン工業団地が新たに浸水した。この工業団地はタイで最大規模のもので、「クボタ」などの日本企業が多数進出している。

 タイでは17日までに、27県が被害に遭い、315人が死亡したという。