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普天間問題で防衛相が沖縄訪問 記者報告

2011年10月18日 2:51
普天間問題で防衛相が沖縄訪問 記者報告

 一川防衛相は17日、就任以来初めて沖縄県を訪れ、仲井真県知事に対し、アメリカ軍普天間基地問題で、沖縄・名護市辺野古の埋め立ての前提となる環境アセスメント手続きを年内に進める方針を伝えた。政治部・前野全範記者が報告する。

 先月から、辺野古移設への地ならしとも取れる閣僚らの沖縄訪問が相次いでいるが、県側の反応は冷ややかだ。仲井真知事は「(辺野古移設は)非常に時間がかかるし、事実上不可能と同じだ。バーチャルリアリティーという感じで、物事を進めるのはどうか」と話している。

 一方、アメリカからは辺野古移設に向けた「具体的進展」を強く求められており、来週に来日するパネッタ国防長官もあらためて進展を要求する見通し。そこで政府は、沖縄県に辺野古の埋め立て申請を行うことを念頭に、年内に環境アセスメント手続きを進める方針を伝えた。一川防衛相は「環境影響評価書の最終的な作業をさせていただいていますが、年内にしっかりと提出できる、そういうスケジュールで進めて参りたい」としている。

 しかし、強硬に進めても、仲井真知事が埋め立て工事の許可を出す見込みはない。普天間市民からは「当初、県外移設という話でしたので、やはりそれを条件にやっていってもらいたい。(Q今後、玄葉外相や野田首相らも来るが?)今の状況だと何も変わらないような気がします」という声が聞かれた。また、名護市民からは「(辺野古への移設を)受け入れることはなかなかできないのではないかと思う」といった意見も聞かれた。

 こうした中、ささやかれているのが普天間基地の「固定化」。移設先を見つけられず、世界一危険と言われる普天間基地が使われ続ける可能性が出てきている。

 政府内で誰がリーダーシップを発揮して鳩山政権以来の迷走に終止符を打つのか。普天間基地の「固定化」を避けるためにも待ったなしの状態だ。