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震災後初の日本地震学会「歴史地震」に注目

2011年10月12日 23:38
震災後初の日本地震学会「歴史地震」に注目

 東日本大震災後初めての日本地震学会秋季大会が12日、静岡市で始まった。

 会場となった静岡市駿河区のグランシップには、朝から多くの研究者らが詰めかけ、若手研究者から著名な学者までが様々な視点から地震に関する研究発表を行っていった。

 今回は、東日本大震災後初めての大会とあって、全体の3分の1が震災を起こした地震に関する研究発表となった。また、震災を受けて過去の歴史をひもとく歴史地震のジャンルも注目され、会場は研究者や報道陣らでいっぱいとなった。この中では、東海地震など南海トラフで発生する地震の周期に関する地層堆積物による研究や、過去の巨大地震で一定規模の余震が発生した範囲から1707年に起きた宝永地震の規模を再評価する研究などが発表された。

 関西大学・林能成准教授「歴史地震・活断層セッションは例年、人が集まらないが、今回はあふれるほど。歴史を大事にしなければいけない、長い目で見なければというのが、学会の雰囲気になっている」

 1880年に創設され、2000人以上の研究者が名を連ねる日本地震学会だが、東日本大震災が投げかけた課題は大きいようだ。

 静岡大学・里村幹夫教授「地震学者が社会とどう関わっていくのがいいのか、社会の要請をどう受け止めて研究を進めていくのか、最終日に議論する。それが一番の目玉」

 日本地震学会秋季大会は、グランシップや静岡大学で12日から4日間、研究発表が行われる他、15日には特別シンポジウムや一般公開セミナーが開催される。