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千年に一度の巨大地震も想定~中央防災会議

2011年9月28日 21:49
千年に一度の巨大地震も想定~中央防災会議

 東日本大震災を受けて地震・津波対策を検討している中央防災会議の専門調査会は、これまで想定していなかった1000年に一度の巨大地震も考慮に入れて想定を行うことを最終報告書に盛り込んだ。

 報告書では「東日本大震災がこれまで想定していた災害レベルと大きくかけ離れていたもので、このことが被害を大きくさせた可能性がある」と反省の必要性を述べている。その上で、古文書の分析や津波堆積物などの調査を基に、これまでは地震や津波の想定から除いてきた1000年に1回程度の巨大地震などあらゆる可能性を考慮した最大クラスの巨大地震・津波を検討していくことしている。また、津波被害を軽減するために、防災行政無線以外にも携帯電話やワンセグなどあらゆる手段を活用することを検討するとともに、沿岸地域では高い強度を持った避難ビルの建設、避難経路の整備を求めている。

 さらに、東海から四国地方の沖合にある海洋プレート「南海トラフ」でも巨大津波が発生するおそれがあると指摘していて、南海トラフ沿いで今後発生が想定される東海・東南海・南海地震では、発生後すぐに津波が到達する地域があることから5分程度で避難が完了する街づくりを目指すべきとしている。

 報告書を受け、政府は年内に、これまでほとんど津波対策に関する記述がなかった「防災基本計画」の改訂に乗り出す方針で、被害想定についても今回の被害を十分に調査分析して最大の被害が発生するケースも含めて複数の想定を検討することにしている。