約３０００人が犠牲となったアメリカ同時多発テロから１１日で１０年を迎えた。現場となったニューヨークの世界貿易センタービルの跡地では追悼式典が行われていて、犠牲者の名前が読み上げられた。

　今回の式典にはオバマ大統領とブッシュ前大統領がそろって参列しているが、１０周年のこの日に照準を合わせた新たなテロの情報があり、異例の厳戒態勢の中での式典となっている。

　飛行機が突入した時間に合わせて黙とうが行われ、犠牲者一人一人の名前が遺族代表によって読み上げられた。同時多発テロでは２４人の日本人も犠牲になったが、今年は杉山陽一さんの長男・太一さん（１３）も遺族代表の一人に選ばれた。

　同時多発テロの現場には、犠牲者追悼のための公園が整備された。ビルの跡地に造られた２つの池の縁には犠牲者一人一人の名前が刻まれており、１１日、初めて遺族だけが中に入ることを許された。

　１１日のアメリカは、厳粛な祈りに包まれる。