×

金正日総書記、訪露の狙いは 記者が報告

2011年8月25日 7:45

 北朝鮮・金正日総書記は、訪問先のロシアで首脳会談を行い、帰国の途に就いたもよう。健康不安を抱えながらロシアを訪問した狙いは何だったのか、首脳会談が行われた東シベリア・ウランウデより玄昶日記者が報告する。

 金総書記訪問のニュースは、ウランウデでも大きく報じられた。地元紙は、レーニン像の写真とともにメドベージェフ大統領と金総書記の写真を載せ、「ウランウデが世界の中心になった」と見出しをつけている。

 ウランウデに到着した金総書記は、第4夫人とされる金玉氏とみられる女性を伴い、バイカル湖畔を訪れた。健康問題も抱える中、約4000キロを移動してロシアを訪問したのは、中国への依存が強まる中、ロシアとの関係を強めたいとの思惑がありそうだ。

 24日に行われた露朝首脳会談で、北朝鮮は、韓国につながるパイプラインの建設に向けてロシアに協力することで合意。引き換えに、燃料や食糧の支援を求めていくとみられる。

 一方、6か国協議をめぐり、金総書記は無条件で復帰する意思を表明。協議が続いている間はミサイルや核兵器の生産、実験を凍結する用意があるとして、協議再開に向けて譲歩する姿勢を示唆した。ただ、ウラン濃縮問題への対応が必要だとするアメリカや日本との溝は深いままで、今回の会談が協議再開のきっかけになるかは不透明。