中国と東南アジアの国々の間で南シナ海をめぐって緊張が高まっている問題で、東南アジア諸国連合（ＡＳＥＡＮ）と中国は２１日、問題解決を図るための「指針」を正式に承認した。

　ＡＳＥＡＮと中国はインドネシア・バリ島で２１日に外相会議を開き、高級事務レベルで合意していた、南シナ海の問題解決に向けた指針を正式に承認した。この指針は、参加国間の対話の継続などを内容とするもの。

　議長国・インドネシアのマルティ外相は、多くの国が参加する解決の枠組みに加わろうとしなかった中国との間で、指針を作ることができたことの成果を強調したが、指針には問題解決の具体案は含まれていない。緊張の緩和につながるのか疑問視する指摘もあり、中国との間で南シナ海問題を抱える当事者のフィリピンなどからは、内容への不満も漏れている。