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首相の“脱原発”方針、野党側から批判の声

2011年7月14日 0:55
首相の“脱原発”方針、野党側から批判の声

 菅首相は13日、今後のエネルギー政策について、原子力発電への依存度を下げ、将来的に原発に依存しない社会を目指す考えを表明した。しかし、実現への道筋は明確にされておらず、野党側からは批判の声が出ている。

 菅首相「これからの日本の原子力政策として、原発に依存しない社会を目指すべきと考えるに至った。つまり、計画的、段階的に原発依存度を下げ、将来は原発がなくてもきちんとやっていける社会を実現していく」

 また、菅首相は、原子力発電所の停止が長期化することで電力の供給不足が懸念されていることについて、企業などの節電の協力が得られれば「十分にこの夏、この冬については、必要な電力供給は可能だと中間報告を受けている」と述べ、根拠となる電力需給計画について近く公表する考えを示した。

 一方、原発の再稼働については、先日、政府がまとめた新たな安全評価を実施した上で、「大丈夫ということであれば、私を含めた4人の関係閣僚の中で合意し、稼働を認めることは十分にあり得る」と述べた。

 また、「脱原発」を争点とした衆議院の解散・総選挙については「国民が選択すべき大きな政策課題だが、この問題で解散するとかしないとかは一切考えていない」と述べた。

 エネルギー政策の転換を強く打ち出した菅首相だが、具体的なスケジュールや手法、電力不足を補うための具体策は明らかでなく、実現への道筋は不透明となっている。

 この会見を受け、自民党・逢沢国対委員長が「退陣を表明した首相が何を語っても、この首相の下で国づくりが進むとは誰も思っていない」と述べるなど、野党側からは、実現への道筋を明確にしないままでの会見に「また世論の人気取りだ」などと批判の声が上がっている。