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3号機窒素注入 17日までに実施の見通し

2011年7月10日 1:34
3号機窒素注入 17日までに実施の見通し

 福島第一原子力発電所では、事故の収束に向けた工程表のステップ1を達成するため、課題となっていた3号機での窒素の注入が、17日までに行える見通しとなった。

 原子炉格納容器への窒素の注入は、水素爆発を避けるために必要で、1号機と2号機ではすでに行われているが、3号機は建屋内の放射線量が高いため作業が行えなかった。

 「東京電力」は、これまでに建屋内の線量を下げる対策を行い、8日、作業員が窒素を注入する配管の接続箇所を調べた。その結果、異常は見つからず、17日までにホースを接続して格納容器に窒素を注入できる見通しとなった。

 3号機にも窒素を注入できれば、水素爆発の危険性が極めて低くなり、ステップ1の目標である原子炉の安定した冷却は軌道に乗るとみられる。

 一方、これとは別に、国の原子力政策の基本方針を決める「原子力委員会」が中心となって検討している、中長期的な工程表の内容が明らかになった。福島第一原発の使用済み燃料プールにある核燃料を取り出すのは14年度初頭、原子炉を解体・撤去する廃炉までには数十年かかるとみている。