「東京電力」は３１日、福島第一原子力発電所の事故で被害を受けた農業者や漁業者に対して、損害賠償の仮払いを始めた。

　東京電力によると、仮払金の振り込み手続きは３１日午前、茨城県と栃木県の「ＪＡ」や酪農団体、茨城県の漁業団体に対して行われた。各団体が３月分の被害として請求した金額のうち、約５億円を支払ったという。農業や漁業の被害に対する仮払いはこれが初めてだが、今回は、国が指示した出荷制限などによる損害が対象で、風評被害は含まない。

　東京電力は、他の業種や地域の賠償請求についても、順次内容を確認して支払いの準備を進めたいと話している。