「中部電力」は９日、菅首相からの要請を受け入れ、浜岡原子力発電所（静岡・御前崎市）の運転を全て停止することを決めた。中部電力は、数日中をメドに原発を停止するとしている。こうした中、中部電力の管内にある製造業関連の企業からは、今後の影響を心配する声が上がっている。

　名古屋市で半導体の部品を製造する「豊福機工」の豊福宏昭社長は、電力事情によっては生産に影響が出るのではないかと心配している。豊福社長は「（Ｑ節電や停電になった場合の影響は？）即座に売り上げ減少になる。電気を使わないと何もできない。（Ｑ全ての機械が？）電気が来なければ、ただの鉄くずだね、こんなもの。車がガソリンないのと一緒」と話した。

　愛知・清須市で自動車用部品の金型を製造・販売する「エムエス製作所」の迫田幸博社長は、「（停電すると）一番問題なのは、金型を作るデータが飛んでしまうということで、大変な問題になってしまう。突然の停電は一番困ること。私だけじゃなくて、他の製造業者もみんな同じ立場だと思います」と、他の製造業への影響を心配している。

　一方、中部電力の管内に９つの工場を持つ「トヨタ自動車」は、「今回の決定の影響はまだわからないが、できる限り安定的な電力供給をお願いしたい」とコメントしている。

　また、「東芝」も今後の影響を精査する方針を示している。村岡富美雄副社長は９日午後の会見で、「四日市工場、三重工場、佐久工場という大きな工場がございますけど、どれだけの影響が与えるかということは精査をしていかないとわからない段階です」と述べた。