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海に流出の汚染水、健康に影響なし~保安院

2011年4月25日 14:51
海に流出の汚染水、健康に影響なし~保安院

 福島第一原子力発電所から海へ流れ出た高濃度の放射性物質を含む汚染水について、経産省の原子力安全・保安院は25日午前、海流に拡散されて放射性物質の濃度が薄まっているため、健康への影響は問題ないと評価した。

 保安院は、2日に2号機の取水口付近から流出しているのが見つかった高濃度の汚染水について、放射性物質の量を4700兆ベクレルとした「東京電力」の試算を「妥当だ」と評価した。その上で、周辺の海域への影響については「複雑な海流が放射性物質を拡散させ、濃度の低減に寄与している」として、放射性物質は薄まっているため、健康への影響は問題ないとみていることを明らかにした。

 また、東京電力によると、汚染水の移送を続けている2号機のトレンチの水位が、25日午前7時の時点で地上から88センチとなり、24日と比べて1センチの低下にとどまった。これまでに移送された量は約1410トンで、5月半ばまでに予定している1万トンの7分の1程度。東京電力は、汚染水が海に漏れ出さないよう、ポンプの台数を増やすなどして移送を急ぐ考え。