放射性物質を吸着する鉱物を海に投入
福島第一原子力発電所では、2号機の「トレンチ」と呼ばれる作業用のトンネルにたまった、高濃度の放射性物質を含む汚染水を取り除く作業が行われたものの、再び水位が上昇した。こうした中、放射性物質を吸着する鉱物を海に投入する作業が行われた。
福島第一原発のトレンチにたまっている、高濃度の放射性物質を含む汚染水は、約660トンが別の場所に移された。これにより、いったんは水位が下がったものの、その後、2日間に水位は上昇し、元に戻ったという。「東京電力」は15日夜の会見で、「(水位が上昇した)はっきりとした理由は分析できていない。タービン建屋から回ってくる分、地下水から侵入してくる分、ルートとしては考えられるが、現時点ではどこからの水なのか特定できない」と話している。このまま水位が上昇を続けて汚染水が流出するのを避けるため、東京電力はさらに汚染水の移動を行うなど対策を講じる考え。
こうした中、放射性物質を吸着する鉱物「ゼオライト」を海に投入する作業も行われ、高濃度の放射性物質を含む汚染水が流出した付近に300キロが入れられた。これにより、放射性物質の拡散を封じる狙い。
また、東京電力は4号機の燃料プールの水を計測した際の映像を公開した。プールの水温が通常より上がり、水蒸気が出ている様子が映っている。ただ、この水に含まれる放射性物質を14日までに分析した結果、プールに入っている燃料棒は大きく損傷していないとみられることがわかっている。